能楽堂によって違う別人の「松」について
能楽堂といえば「松」が描かれています。
1年中、緑で枯れることない「松」は神様が宿るといわれいます。
この「松」なんですが、能楽堂によってぜんぜん違う別人なのです。
言えば、ぱっと見は、九州の人と関西の人とか、よく見ると、細かくなってきて、博多の人間、大阪商人、江戸っ子みたいに違います。(※例えばの話しです。)
みんな日本人に変わりはないのですが、個性があるように、能楽堂の「松」もそう見えてきます。
いろんな「松」が描かれていて、それぞれ個性があって、強気な感じだったり、優雅でおっとりとしている感じであったり、堂々としている感じが強かったりもあります。
能楽堂では
どこでも同じ「松」ということではないのでこれも楽しむことができます。
平林会館 西宮能楽堂の松
大阪能楽会館の松
大濠公園能楽堂の松
そして、たまに不思議なことがあって、一度みたことのある「松」でいつもの能楽堂なのですが、今日は初めて観たような気がしたりすることもあります。
あれ、こんな感じだったっけ?と不思議な気分になることもあります。
なぜなら、この「松」が描かれている場所を鏡板と呼びます。
実は、能楽堂正面に「松」がありそれが反射して映っているから、鏡板と呼ばれるそうです。
私たちは鏡に映っている実際には、目に見えない「松」を目にしています。ということも考えられます。
いつもとは違うように見えた「松」は自分の心の変化を映し出しているのかもしれません。
初めて行く能舞台で鏡板の「松」をみて、強く感じたり、優雅に感じたり、太く偉大に感じたりすることは、自分を映し出しているのかもしれないですね。
ぜひ能楽堂に足を運んでみてはいかかでしょうか。
いつもとは違う自分に出会えるきっかけになります。
能楽堂の松をじっと眺めているだけでも素敵なことがみえてきます。
何かみつかりそう!とか、
ハッとしたり、
それからしばらくすると、始まります。
舞と謡い、鼓や笛の音。
平林会館 西宮能楽堂
すべてを観終わって、みる「松」とそれまでの「松」が違ってみえることもあります。
自分の目で試してみてください。「鏡板の松」があなたには、どう映るのか確かめてみてください。
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